医療の質向上への取り組み
医療の質向上への取り組み
当院では医療の質を向上させるため、全日本民医連QI公開・推進事業に参加しています。 診療の質指標(Quality Indicator: QI)の経年変化を追いつつ、病院全体でその改善策を計画し、取り組んでいます。 現在取り組んでいる指標は以下の通りです。
指標6 転倒転落発生率
要介護、または寝たきりになる主な原因の第3位が転倒・骨折です。この指標は、転倒転落を予防するとともに、受傷時の外傷を軽減するための指標です。
指標9 インシデント・アクシデント
身体に侵襲を伴う医療行為は、常に重大事故を引き起こす危険を伴っています。事故の発生をできる限り防ぐことが医療安全の基本です。軽微な事故や事故に至らない異常も発見し、報告することで重大事故を予防することができます。評価基準として、医師からの報告が多いと病院全体の医療安全意識が高いと言われています。
指標16-1 リハビリテーション早期・初期加算の割合
リハビリテーションの指標として、当院のFIM利得からも早期からのリハ介入が効果的である傾向がみられました。また、厚生労働省からも早期からの急性期リハビリテーションの提供を推進するため、病態に応じた早期からのリハ介入が求められており、当院では早期からのリハビリ介入の質に対する効果判定を行う目的で、2023年より早期・初期加算の取得率の調査を開始しました。
指標20 塩酸バンコマイシン血中濃度の測定
抗MRSA(methicillin‐resistant Staphylococcus aureus;メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)薬である塩酸バンコマイシンの適切な使用や適切な血中濃度測定についてモニタリングします。
指標36 糖尿病患者の血糖コントロール
HbA1cは、糖尿病診療の質をはかる上で中心的な評価指標となっています。当院では2019年度に糖尿病診療の質改善を目的に発足した共立糖尿病診療カイゼンチームを中心に、この指標の改善に取り組んでいます。
指標49 救急車受け入れ割合
救急車受け入れ割合は、救急隊から搬送の要請に対して、どれだけの救急車受入をできたかを示す指標で、各病院の救急診療を評価する指標となります。地域医療への貢献を示す指標にもなります。
指標57 身体抑制
身体抑制は本来あってはならない行為ですが、やむを得ない場合に身体抑制を行うことがあります。患者さんの人権という視点からも、より限定された患者さんへ、より早期に解除するべく、本指標を用い検証し続けます。
指標60 患者満足度調査
治療の結果、安全性と説明、療養環境などに対する患者の満足度は、医療の質を測る上で重要な指標です。指標は入院、外来部門それぞれの総合評価で「満足している」と「やや満足している」と答えた患者の割合です。
2023年
2022年
2021年
指標61 職員満足度調査
病院における職員の満足度は、患者へのケアの質などに影響するという報告が複数あります。
FIM利得
FIM(Functional Indipendence Measure;機能的自立度評価法)は、日常生活動作(ADL)の介助量を評価するための方法で、運動項目と認知項目から成ります。入院時FIM得点と退院時FIM得点を比較することで、リハビリの効果を数値で表すことができます。本指標は、民医連や厚生労働省の指標ではなく当院独自の指標となります。