心臓リハビリテーション

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心臓リハビリテーションとは

心臓病を発症し、入院して治療したけれど…
「退院後はどれくらい動いていいのでしょうか?」
「今まで通りの生活ができるのでしょうか?」
多くの患者さんが抱くこの疑問・不安を解決するのが心臓リハビリテーションです!

心臓リハビリテーション(心リハ)とは、心臓病の患者さんが体力を回復して自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、病気の再発や再入院を予防することを目指して行う総合プログラムのことです。 以前は、心臓病を患ったらなるべく安静に過ごす方がいいと考えられていました。しかし、適切な運動であれば、心臓に負担をかけずに、心臓病の原因となる動脈硬化の進行を抑え、日常生活における息切れや疲労感などの自覚症状を軽減し、生命予後の改善にもつながることが科学的に証明され、現在では、心臓病の患者さんが積極的に運動療法を行うことが推奨されています。
ただし、病状に応じて運動の方法や強さの調整が必要ですので、自分の判断で行うのではなく、心リハに参加して安全性を確認しながら運動療法を実施していただくことをお勧めします。

心臓リハビリテーションの適応

医療保険制度による心リハ(制度上は「心大血管疾患リハビリテーション」と呼ばれます)の対象疾患は、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後、経カテーテル大動脈弁置換術後、大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管手術後)、 慢性心不全、末梢動脈閉塞性疾患(下肢閉塞性動脈硬化症など)です。
これらの病気の場合、通常は心リハ開始から150日間、健康保険が適用されます。医師が継続の必要があると認めた場合は150日を超えて健康保険が適用される場合もあります。
ただし、病状によっては運動療法が好ましくない場合もありますので、運動療法をしても大丈夫かどうか、主治医に確認することが必要です。

心臓リハビリテーションのプログラム内容

心リハでは、専門知識を持った医師、理学療法士、作業療法士、看護師、管理栄養士、臨床検査技師など多くの専門医療職が関わって、患者さん一人ひとりの状態に応じた効果的なリハビリプログラムを提案し、実施します。
心臓病の方に最適な運動方法として、ウォーキングやジョギング、自転車などのような「有酸素運動」が勧められています。一方、重い物を持ち上げたり全力で走ったりといった短時間に強い力を発揮する運動は「無酸素運動」と呼ばれ、心臓に負担がかかって症状を悪化させたり、危険な不整脈が出現したりする可能性もあり、心臓病の方にはお勧めできません。ただし、適切な(軽い)強さでの筋力増強運動(レジスタンストレーニング)は心臓病の方にも有用とされているため、心リハでは有酸素運動とレジスタンストレーニングを組み合わせた運動療法を実施しています。
運動前・中・後には血圧や脈拍を測定し、体調に異常がないかどうかをチェックします。特に脈拍については、可能な限り患者さん自身に測定していただき、自己管理ができるようにしています。効果的な運動療法を行うためには、週3回以上の頻度が必要と言われています。そのためには心リハでの運動だけでは十分とは言えず、自宅での運動継続が不可欠ですので、体調を自己管理できるようになることはとても重要なのです。
心リハ開始時と数ヶ月後には、心肺運動負荷試験などの検査を適宜行い、その時点での体力を把握して、適切な運動の強さを決めたり、運動療法の効果を確かめたりしています。
また、運動療法だけでなく、必要に応じて、食事指導や服薬指導、禁煙などの生活指導や、カウンセリング、復職の相談なども行っています。

急性期プログラム(入院中)

心臓病と聞くと、安静にしていなければならないと考える方もいるかもしれません。しかし、長期間寝ていることで、心臓の機能は低下し、全身の筋肉も衰えてしまいます。近年、治療技術の進歩から、早期に運動療法が開始できるようになり、早期の社会復帰が可能になりました。より安全に運動が行なえるようにスタッフが関わっています。

【 目的 】 早期離床~退院
【 プログラム 】 臥床姿勢から端座位をとる・立位・病棟内歩行訓練、トレッドミル、自転車エルゴメーター、栄養指導、生活指導

回復期プログラム(外来)

退院直後がこの回復期にあたります。入院生活と違い、一日を通して活動量が増えてきます。どこまで歩いて良いのか、お風呂は大丈夫か、退院してから息が切れる、スポーツはいつからしていいかなど、入院中にはあまり考えていなかった疑問が多くなります。

回復期では、病前生活の獲得に向けて面談を行い、個人個人に適した目標とプログラムをスタッフと一緒に考えます。心臓リハビリ外来・在宅での自主訓練を行っていきます。

外来リハビリは、同様の病気を持っている方とともに、日常生活の工夫やどんな運動をしているかなどの情報交換が出来る場所でもあります。

また、外来では随時看護師が面談を行ったり、復職についてのサポートを行っています。

【 目的 】 運動習慣の獲得、再発予防に向けての生活習慣病の改善、社会復帰へ向けた体力の向上
【 プログラム 】 個別面接、筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチ、屋外外出、栄養指導

維持プログラム(外来もしくは在宅)

急性期、回復期のリハビリ効果で体力がついたと実感し、安心感から習慣化された運動を終了する方、食事を気にしなくなってしまう方がいらっしゃいます。そのため、長期的に運動を継続する目的と、体力の向上・維持を目的として集団スポーツや季節ごとのウォーキングなどを実施しています。運動が定着するようにアドバイス等も行い、外来リハビリを終了し、在宅で運動を継続できることを目指します。また、病気に対しての理解を深め、病気の自己管理をしていくことを目指します。

【 目的 】 在宅での運動習慣の獲得、生活習慣病の改善、自己管理能力の獲得
【 プログラム 】 筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチ、屋外外出、栄養指導

検査

体力測定として使用されている心肺運動負荷試験(CPX )を定期的に行ない、その結果から、日常生活でどの程度動いても安全なのか、運動の効果はどの程度あったのか、など運動量や体力について相談が出来るようにしています。

心臓リハビリテーション外来

毎週月・水曜日 13:30~15:00
毎週金曜日

9:30~11:00
11:00~12:30

当院では心臓リハビリテーション指導士の資格を有するスタッフ(医師1名、理学療法士3名)が在籍しており、医師の診察後、理学療法士や看護師による生活・運動指導を行います。内容は有酸素運動や筋力トレーニングの他にも、日常生活や復職に向けた相談、利用可能な社会制度の説明なども行っています。 ご興味のある方は、当院地域連携室へお問い合わせください。

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